公証人役場における「遺言公正証書」の作成件数は増加の傾向にあり、平成26年以降は、年間10万件を超えて推移しております。
ただし、コロナ禍の影響により現在は少し減少状況にあります。
遺言とは、残された人たちのために、想いを伝える、大切なラストメッセージです。
相続に伴って生じる財産上の問題について、しっかりと取決めを行い、意思を書面に残しておかないと、不要な誤解が生じ、親族間において、回復不可能な紛争が生じることが多くあります。
大切なご家族のため、是非一度、お気軽にご相談下さい。
家庭裁判所における「自筆遺言書」の検認件数も増加の傾向にあり、18年間で2倍以上になっております。
遺言とは、将来発生するであろう相続問題について、大切な財産のことで、骨肉の争いが生じないよう、有効・有意義に活用してもらうために、定めておく「意思表示」です。
遺言には、直筆遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、などいくつかの種類がありますが、故人の真意を確実に実現させる必要があるため、民法上、厳格な方式が定められており、その方式に従わない遺言は、すべて無効となります。
ご自身の思いや気持ちを書き留めて希望を伝える「エンディング・ノート」や、直接想いを伝えるために語りかける「ビデオ・レター」 などは、法的な効力を持ちません。
遺言が無いと、法定相続人全員によって遺産分割協議を行い、相続財産の配分や帰属を取り決めたり、登記や解約などの所定の手続きを行う代表者を専任したり、煩雑や対応が必要となり、仮に協議での合意が得られない場合には、調停や裁判などの法的手続きが必要となります。
親が他界した後に、仲の良かった兄弟姉妹の仲が悪化してしまうということは、決して珍しいことではありません。
適切な遺言書を1通作成しておくことで、不要な紛争を未然に防止し、回避することが可能です。
※遺言は、15歳以上の方であれば、どなたでも単独で行うことが可能です。
※成年被後見人や被補助人、被保佐人、その他の精神的障害がある方でも、作成時においてきちんとした判断能力があれば有効な遺言書を作成することが可能です。
●令和2年7月10日に「遺言書保管法」が施行され、法務局における遺言書の保管制度が開始しました。
●令和2年(2020年)4月1日より、改正民事執行法が施行されました。
強制執行にあたって、債務者以外の第三者(金融機関、法務局、市町村、他)から財産の情報開示を受けられるようになりました。
●令和2年(2020年)4月1日より、配偶者居住権の施行が開始となりました。
同日以降に発生する相続に関しては、相続が発生する前から一緒に住んでいた配偶者は、配偶者がその自宅(居住建物)の権利を相続しなかったとしても、引き続き住み続けることが出来るようになりました。
●平成31年1月13日以降に作成される自筆遺言書については、相続法令(民法及び家事事件手続法)の改正により、相続財産の目録については、全文を本人の直筆で書かなくても良いことになりました。
●相続税法の改正により、平成27年1月1日以後の相続からは、相続税の基礎控除が6割に縮小となりました。
改正前の基礎控除:
5000万円+1000万円×法定相続人の数
改正後の基礎控除:
3000万円+600万円×法定相続人の数
●平成25年12月5日に「民法の一部を改正する法律」が成立し、12月11日に公布・施行されました。
これにより、平成25年9月5日以後に開始した相続については、嫡出でない子と嫡出子の相続分が同等になりました。